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ベイシアグループデジタルアカデミー

ベイシアグループの1社、カインズは、顧客とのエンゲージメント、プロモーション、購買体験のDXを本格始動するべく、2018年に「IT小売業宣言」をしました。その動きをグループ全体としても後押しすべく、当社では、2022年からグループ全体のITリテラシーを高め、会社を超えたデジタル部門と業務部門の共創を推進していく目的のもと「ベイシアグループデジタルアカデミー」を運営しています。

本ページでは、グループ共通で受けられる「ベイシアグループデジタルアカデミー」の概要についてご紹介いたします。

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ベイシアグループデジタルアカデミー担当 菱沼 恒毅

2万人以上のデジタルリテラシーを上げるために

ベイシアグループでは、アルバイト・パートを含めると約3万人が働いています。この巨大な組織において、デジタルリテラシーを底上げ、デジタル部門と業務部門の共創を推進していくのがデジタルアカデミーの役割です。

先述のとおりベイシアグループの1社であるカインズは、2018年に「IT小売業宣言」を発表しました。小売業の中でもITを推進するため、先進的な取り組みを行うと決めたのです。そのためには、ベイシアグループソリューションズの社員だけが専門知識を身につけるのではなく、グループの社員一人ひとりの力が必要です。

グループのすべての社員がデジタルリテラシーを高め、購買体験をよりよいものに変えていく、そのために、デジタルアカデミーが生まれました。

とはいえ、グループごとに経営方針、人材育成方針があります。そして、方針に則った人事制度、研修も各社で存在しています。そこに追加して、デジタルアカデミーをやる意義とはなにかを、導入前に深く議論しました。グループ横断の研修であるからこそ、個社の戦略を阻害せず、活性化させるプログラムを組みたい。

そのためにデジタルアカデミーでは、グループDXにおける重点領域に絞り、抽象度の高い、高い視座にたったテーマを選んでいます。たとえばAI活用という領域でChatGPTの研修があったとすると、最初に「あなたの業務領域やその目的は何ですか」と改めて振り返ってもらい、研修を通じ「どうやったら、ChatGPTを活用して業務を高度化できるか話し合ってください」といったかたちでアウトプットしてもらっています。

会社のDXを推進するなかでコアとなる「人の成長」

人を資本とみなし、成長をうながす人的資本経営が重視される中、ベイシアグループには人事面での葛藤がありました。それは、どのようにして、会社の事業、戦略の達成と、個人のキャリア、成長を両立させて、どちらも犠牲にすることのない仕組みを作っていくかということでした。

ベイシアグループの柱である人材育成で、何をしていくべきか。それを考えたとき、部署や会社を超えて共に学び実践を支援する機会が必要なのではないかという意見が出てきました。そこで2022年3月にデジタルアカデミーが生まれ、これまでにのべ約2,000人が参加しています。

デジタルアカデミーには強制力がなく、研修はすべて任意。それでありながらこれだけの人数が参加してくれたことに、チームとしても手ごたえ成果を感じています。今後は、より人材育成から事業、顧客体験の変革に貢献できるようしていきたいと考えています。

また、アカデミーに参加した方々が、研修後も交流を続け、業務連携まで進んでいることが判明しています。こうして会社や部署の垣根を超えたインフォーマルなネットワークが生まれ、結果としてグループ社員のエンゲージメントに貢献できたことは、今後の取り組みを考える上での貴重なヒントとなっています。

ベイシアグループデジタルアカデミー担当 菱沼 恒毅

外部のリーダーをお招きした研修

アカデミーとしての活動は、2つに分かれます。まず、ハイペースで外部のデジタルリーダーをお招きし、研修を受けています。日本を牽引するトップ企業でCTOなどの職務を経験された方、会社全体のDX推進をけん引された方から取り組み事例を伺い、DXを推し進める上でぶつかった壁と、乗り越え方を共有していただきます。

危機感をむやみに煽るのではなく、「もっと自分にもできることはたくさんある」と思ってもらうための起爆剤のひとつと考えています。

ワークショップ形式で個社を超えた研修

取り組みの2つ目はワークショップです。現場に合わせたテーマを多彩に用意して、研修プログラムを提供しています。例えば2023年にはChatGPTを使って業務効率を上げるワークショップを開催しました。

ワークショップは外部リーダーの講演を聞いて意欲がわいてきた、より実践に向けて学びを深めたい人向けの研修です。研修は会社をまたがってグループを作り、アウトプットを行います。座学とは異なり、チームで結果を出してもらうことで、実践的に学びを身に付けてもらえるのがポイントです。参加者からは、「これまで自分の業務ばかり深めてきた。他部署の方と同じチームで話し合うことで、考え方に刺激を受けた」とのコメントが挙がっています。

IT研修でも「◯年目の社員を集めて一斉に……」といったスタイルですと、社員によってモチベーションにばらつきが出てしまいます。そうなると、研修プログラムも下支えを目的とせざるを得ません。その点、デジタルアカデミーは任意参加のため、ITリテラシーに課題を感じ、意欲的に取り組みたい方々が集まっています。研修プログラムも、具体的な課題感がある人向けの先進的な内容を組みやすくなります。やる気のあるメンバーが相互に刺激しあい、プラスの効果を作っていけるのがデジタルアカデミーの長所です。

コミュニティの生成と自走に向けて

今後、デジタルアカデミーが目指す展望は2つあります。ひとつは、コミュニティの形成です。デジタルアカデミーで研修を受けて終わりではなく、自発的な読書会や教えあう場が生まれ、学びの場をさらに活性化してくようしていきたいと考えています。それをデジタルアカデミーが支援できることを現在は考えています。

もうひとつは、お客様満足度に貢献することです。デジタルアカデミーで学んだことをもとにアウトプットを変え、現場でお客様満足度に貢献してもらいたいと考えています。ベイシアグループの理念である “For the Customers” を実現するためにも、現場の業務に資するコンテンツを提供していきたいです。

2023年8月インタビューにて

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